カーテンは吊って初めて商品です。 カーテンを吊った時にいかに美しく見せるかを考え、
それぞれの商品に適した「縫い方」を提案させていただきます。
『カーテン』とは、
ファブリックスを仕立ててカーテンレールに吊るし、左右水平方向に開閉して使用するか、掛けた状態のままで使用する窓掛けの呼称です。
【ドレープカーテン】
厚手から中厚手で、光を通しにくい生地で仕立てたもの。
【シアーカーテン】
薄手で光を通す生地で仕立てたもの。一般的にはレースカーテン、ケースメント、などと分けて呼ばれます。
仕上がりの幅に対して、どの程度のカーテン生地が使われているか
によって"○○倍使い"という呼び方をします。
例:仕上がり幅約100cmに対して、裾の長さがおよそ200cm程度の場合「2倍使い」と呼びます。
左の図のように、自然な状態(カーテンレールに吊られている状態)のカーテンの裾を広げると、実際にはずいぶんたくさんの生地を使用していることに気付きます。
これが「カーテンのボリューム感」です。
一般的には2倍使いが基準です。
ヒダ倍率に応じてヒダ山のつまみ方(山の種類)が異なります。
ヒダ山をつまむために最低必要な生地の分量と、仕上がりのカーテンのボリューム感によって変わります。
オーダーカーテンの基準は2倍使いで、3つ山を取るのが一般的ですが、
好みのスタイルを表現してこその”オーダーカーテン”ですから、
既存の形にとらわれる必要はございません。
このほかにも別のページで紹介しているハトメカーテンやタブカーテンなどもあります。
カーテンの上部(吊り元)の生地をつまんで山を作り、
カーテンのボリューム感を調整します。
カーテンの上部に芯地(しんじ)を張りつけ、目的の仕上がりにします。
生地の倍率や、生地の規格の幅と目的の寸法によって山の大きさや個数が決まります。
3つ山
2つ山
1.5倍程度のボリュームの場合の標準的な仕上がりです。
2つのヒダ山をつまむことで、その分生地の分量が必要になりますので、ヒダ山の間隔が広くなります。
1つ山
1.3~1.5倍使い程度のボリュームの時に使います。
形状記憶加工を施し、規則正しいウエーブが出る場合は1つ山1.5倍使いのボリュームで仕上げると、ヒダ山の間隔が狭くなり、細かなウエーブを楽しめます。
フラット
ヒダ山をつままないタイプです。 平らな状態で(カーテンレールの長さと同じ寸法にして)シンプルに生地の雰囲気を楽しむこともできます。 カジュアルなインテリアに似合うスタイルです。
また、あえてヒダ山をつままないでウエーブを大きくとることもできます。 (フラットカーテンについての詳細はこちら)
ハトメ
1.5倍~2倍使い程度のボリュームで、ヒダ山をつままず、ハトメを打ってその中にポールタイプのカーテンレールを通して楽しむスタイルです。
ハトメとは穴がほつれないように取り付ける環状の金具の事です。 (ハトメカーテンについての詳細はこちら)
カーテンをカーテンレールに引っ掛けるために”フック”が必要です。
フックには大きく分けて「Aフック」と「Bフック」があります。
また、フックには金属製のものや樹脂で出来ているものがございます。
当店では樹脂製のアジャスターフックをしようしており、用途に応じて使い分けています。
■画像による「Aフック」と「Bフック」の説明
《金属製差込みフック》
昔から馴染みがありますが、最近では樹脂製のフックが主流です。
《アジャスターフック》
本体の軸と頭のフック部分と分離しており、本体軸に刻まれたぎざぎざの部分で頭の位置を調整できます。
さまざまな種類のフックがありますので、生地や縫い方によって使い分けています。
【アジャスターフックについての説明】
●樹脂製 差込みフック●→詳細
金属製のフックと同じ使い方です。最もシンプルな構造になっています。
金属との違いはフックの部分をアジャスター調整できることと、錆びないことです。
●樹脂製 差込み十手フック●→詳細
差込みフックの弱点である安定性の悪さを改善するためのフックです。
通常は差し込むと左右にフックが揺れるので、面積が大きくなったり、裏地付や厚手の生地などでカーテンの重量が増すと安定しなくなります。 そこで、ヒダ山の中央部分にポケットを作り、そこに十手部分を引っ掛けますと左右から受ける力にたいして耐久性が高まります。薄い生地や1つ山にしたときに十手部分の膨らみが目立つ場合があります。
●樹脂製 縫込みアジャスターフック●→詳細
当店でレギュラー縫製の標準仕様にしています。
安定性があり、ヒダ山の形状を壊すことなくすっきりと仕上がります。お洗濯の際は先端のフック部分だけを取り外していただければ、縫いこんでいる部分はそのままで問題ありません。生地によっては縫い込めない場合があります。
カーテンの上部(吊り元)の処理の仕方で、
カーテンの表情が変わります。
カーテンのヒダ山の部分には”芯地”というやや固めの帯状のものが縫い付けられています。
芯地の種類にも不織布やニットなどさまざまな種類があり、どのような芯地を使うかによって表情が違います。
また、芯地を縫い付けるときに生地とどの部分を縫合するかによっても表情が変わってきます。
当店では表面に縫い目が出ないほうがきれいとの考えのもとした写真一番左の仕上がりを標準にしていますが、
生地や寸法によって使い分けています。
カーテンの裾の折り返し処理の仕方で、
カーテンの表情が変わります。
裾の折り返し部分をどのように縫うかでカーテンの印象が大きく変わります。
当店では2本糸の本すくい縫いを標準にしています。
表に縫い目が見えませんが、強度も保っています。
生地や仕上がりイメージによって使い分けができます。
レースカーテンの裾の処理の仕方で、
カーテンの表情が変わります。
本縫いウエイト巻きロック
当店ではヨコ使いレース生地の標準仕様としてこの方法を取り入れています。
(形状記憶加工を除く。形態安定加工の場合はこの方法が可能)
ウエイトテープを生地で巻き込んで本縫いで仕上げますので丈夫で耐久性に優れています。
また、従来裾ウエイトロックの仕上げが不可能とされていた縦使い生地でも裾ウエイトが可能です。
しかも柄のある生地をお選びの場合、従来は裾ウエイト部分が縁取りのようになっていましたが、この方法を使うことで生地の裾ぎりぎりまで柄を出すことができます。
ウエイト巻きロック(従来型)
従来からの方法で、根強い人気です。この方法をご指定いただくこともよくあります。
生地にもともと縫い付けられているものもあります。裾にぐるぐる巻きつける構造上、
糸が一部解けてしまうとそこからどんどん取れてしまいます。
また、経年劣化によりウエイト部分と生地との境目が弱くなりウエイトがごっそりと落ちてしまう可能性があります。
ウエイト仕上げ風ロック(形状記憶加工時)
形状記憶加工をかける場合、熱の影響でウエイト部分が縮む場合があります。
その際はおもりを入れない擬似的なウエイトロックを装飾的に着けます。
当店の仕様は裾に江戸打ち紐を利用し、レース生地本体と似た色の糸でロック仕上げをしています。
生地に形状記憶加工が施されている場合はおもりがなくてもきれいなウエーブを得ることができます。
三つ折り(ダブル)
10cm程度3重に折り返しています。厚手カーテンと同じくダブルの折り返しです。
縫い方は"本縫い"します。
生地には規格の幅があります。
【縦使い】100cm前後から150cm前後のタイプ
【横使い】300cm前後のタイプ。
※200cm幅で、製作者の意図などによって縦使いを標準とする生地と横使いを標準とする生地もあります。
”横使い”生地はカーテンの丈に対して生地を横方向に使用しますので、基本的には何mの幅でも継ぎ目なく作れますが、
”縦使い”生地はカーテンの丈に応じて生地を使いその規格の幅を越す寸法のカーテンを作る場合は生地を継ぎ合わせます。
200cmの仕上がり、2倍使いのカーテンを作るのに、3~4巾継ぎ合わせます。
当店ではその際の生地の継ぎ方、継ぎ目の位置にも注意を払っています。